夜明けの腐日記

「商業BL感想・雑談」ネタバレ注意!!

死にたがりのヴァンパイア:桃尻ひばり (感想)

死にたがりのヴァンパイア (マージナルコミックス)

《あらすじ》

「君を殺してあげる。だから、君の絵を描かせて――」大学生の祐樹は、
有名画家の父の代わりに絵を描くゴーストペインター。
息を潜めるように過ごしていたある日、美しい吸血鬼の青年、レオが現れる。
血液の代用として「キス」を提供する祐樹だったが、行為は徐々にエスカレートし…。
悲しい過去を背負い、自分を殺してほしいと願うレオ。
彼に惹かれながらもただ絵を描くしかできない祐樹。
自分の"色"を失った青年と生きることに絶望した不老不死の吸血鬼の切なくも鮮やかな日々。

 切なくて鮮やか

 表紙の色使いがとても綺麗ですよね。大好きです。

表紙のように鮮やかで、それでいて流れる空気は切なさ満点。とても不思議な読後感を味わえました。

ヴァンパイアものってそれだけで切なさが漂うのわかりませんか...

 

【ここからネタバレ注意】

《攻:レオ・受:祐樹》

 

:眠りから目覚める

父親のゴーストペインターとして日々作品を描いていた祐樹。そんな彼の前に突然現れたのが飢えたヴァンパイアでした。

ヴァンパイアのレオは、100年の眠りから目覚めたばかり。飢えの衝動で傍にいた祐樹の血を吸ってしまいます。

レオは死にたがりのヴァンパイア。その理由は過去に起因しています。でもあっさりと触れられていて、深く掘り下げられることはありません。

祐樹はそんなレオに魅了されているようでした。

 

:恋と錯覚

実はヘタレなヴァンパイアであるレオ。最初の方は妖しげで儚く見えます。そんな彼は、出会った祐樹に自分を殺してくれと頼みます。

それに対して祐樹は、レオの絵を描かせてほしいと発言。描かせてくれるなら殺してあげる。それが交換条件として差し出され、約束されました。

そしてそれまでの間、レオを生かすために祐樹は精気を提供することになります。

精気の交換はキス。食事と言えど口へのキスはなんともエロティックでした。

そして、ヴァンパイアとキスをするとその高揚感から”恋”と錯覚するという弊害も出てきます。これ、自分の本当の気持ちはどうなのか...と葛藤する最高の設定ですよね...

 

:逃げ出す祐樹

父親のゴーストペインターとして活動していくことに限界を感じた祐樹は、ついに逃げ出してしまいます。もちろんレオを連れて。

この時点でかなり祐樹の気持ちはレオへ向いていることが理解できます。

攻めの明るく素直で、ガラッと変わっている周りの環境を嬉々として楽しんでいる様子は、祐樹の心の支えになっているように思えました。

 

:同じ時間

逃げ出した先で、甘い生活を送りつつレオの絵を完成させていく祐樹。

それが完成したとき、少し2人の間に亀裂が入ります。でもそれは2人の生きている時間が違うというところからきたもの。

人外ものにはよくある設定ですが、やはり切ないですね。

でもこれはヴァンパイア特有の逸話によって、もしかしたら...という希望の光を見ることができます。 

最後は”2人で同じ時間を生きていく”と気持ちを確かめ合いました。

 

+α

本編その後の描写で、どこか遠い場所で祐樹が個展を開くようなことを話しています。その傍にはもちろんレオが。

結局、2人の背後関係はなにも清算されていないんです。物語にはその描写はありません。

祐樹は父親から逃げたままかもしれないし、レオは過去に心を囚われたままかもしれない。でもその、弱い部分をお互い補え合える、そんな関係だと思っています。 

こういう2人の関係を際立たせるためにも余計な背後情報がなくて良かったと感じました。

 

最後に

 綺麗で切なくてどこか閉塞的。

 きっとこれからも2人だけの世界で、同じ時間を生きていくんだな~と思える結末でした。

ぜひ、映画のように美しい物語を読んでみてください。

 

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『月夜のクラゲは恋に泣く』1話感想はこちら↓

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