夜明けの腐日記

「商業BL感想・雑談」ネタバレ注意!!

少年と神隠し:ゆき林檎 (感想)

少年と神隠し (Canna Comics)

f:id:Gin2rou:20190330235506p:plain

《あらすじ》
昭和28年。

年老いた養母が他界し、身寄りがなくなった捨て子の修一郎は、生まれ育った小さな村を出て行くことに。

幼少期から霊感のような不思議な力がある修一郎は、村を出た先の神社で霊に遭遇し気を失うも、お面を被った謎の青年・テンに助けられて…。

 想いの美しさ

ゆき林檎先生の久しぶりのBL。泣きました...

昭和の時代物に少しのファンタジー要素が盛り込まれた今作。とても切なくて、その切なさがあったからこその現在があるのかと思うと感慨深いです。転生ものなのも切なさのポイントかと思います。

まだ読んでいない人にはぜひ読んで欲しい作品でした。

 

【ここからネタバレ注意】

攻(?):天玄丸・天狗

受(?):修一郎・16歳

仏教の世界にある六道輪廻にまつわる転生ものです。

 

:助けてくれたのは

育ててくれた養母が他界し、村を出た修一郎。道中みかけた神社へ参拝をしますが、なにやら不穏な”不思議なもの”に追い掛け回され気を失ってしまいます。

そんな彼を助けたのが、お面を被った天玄丸でした。 

このお面、ちょっとだけドキっとします...表情が全くわからないお面なので...

あてもなく村を出た修一郎に対し、気が済むまでここにいて良いという天玄丸。その好意に甘え、一緒に住むことになります。

住むの??!と少しびっくりしました。が、神通力を持つ修一郎をすぐに見抜いた天玄丸なので、そこらへんのことがあって留まることにしたのかな?と思います。

この話の中でキーになるのは、修一郎の夢の出来事です。これが後々に効いてきます。

 

:日常

不思議な縁で同居をすることになった二人。その生活はなかなかにうまくやっているようでした。普通に街に買い物にも出かけているようで、 閉鎖した暮らしではないよう。普通に一緒に暮らせていて、楽しそうでした。

中盤で天玄丸の慕っていた人に対しての言及がありまして...これが修一郎の心を惑わせていきます。

ある時から修一郎は街で仕事をするようになります。お手伝いのような形。このとき、トラブルに巻き込まれる修一郎ですが天玄丸が助けにきてくれます。

そしてここから天玄丸の回想パート。最終的には修一郎の夢へと繋がっていきます。

この回想パートがとても切なくて...涙なしではいられません。一回pixivで読んでいるはずなのにやっぱり泣きました...あと天玄丸の小さい頃が可愛いです。

いわゆるお稚児趣味の話なので、苦手な方は注意が必要です。

 

:夢

天玄丸のことが知りたいと思うようになった修一郎。仕事先の人から仏教の六道輪廻の話をききます。

それを踏まえて、彼は自分が見ていた夢が夢ではなく前世だったのでは?という疑問を持ち始めていきます。さらには天玄丸の正体が天狗なのでは?と思うように...

天玄丸が天狗なのでは?と思われる部分、彼の回想パートを見た後だと切なさ倍増です。あ~そういうことなのか~と。ぎゅっと絞られるような感覚になります。

ある程度の検討がついた辺りで、天玄丸から本当のことを聞きます。

これにて丸く収まる!かと思えば、新たな試練が。そしてこれが二人の今後を左右する強固な壁として立ちふさがりました。

 

:人とそうでないもの

人間の修一郎と天狗の天玄丸。例え前世に縁があったとしても、どうやったって 相容れない存在の二人。当然に生きる長さも違います。

2人の前には、”住んでいた場所がなくなる”ことと”寿命が違う”ことの2つが立ちふさがります。

天玄丸は修一郎の足枷にはなりたくないと思っていて、修一郎は天玄丸と一緒いいたいと思っている。完全なる両片想いなのに...どうにも辛くて切なくてやるせない気持ちになりました。

最後は、臆病になっている天玄丸に対し修一郎が一世一代の告白をします。最期の時までの時間をちょうだい。そういう趣旨の告白。

これが天玄丸の心へ響きました。そして現世では二人にとって最高の結末を迎えます。

結局、現在を生きている二人ではありますが、前世を含めて今の話をしています。ここが少し不思議な感覚がしました。

 

+α

本編中、ところどことに出てくる風習や要素が少し古くてそこが昭和感を味わえます。着物が良い感じ...

描き下ろしはその後の二人。平穏で幸せな生活をしているんだなと、安心できました。

カバー裏は天玄丸と修一郎の設定が載せられていました。

 

最後に

六道輪廻にのっとった転生のお話。昭和という時代も相まって、より切ない雰囲気が出ています。 

どうしても寿命が違う二人なので、最期を想像して切なくなってしまいますが、二人にとって今が幸せであることを願うばかりです。

切なくて、少し不思議な物語。みなさまもぜひ読んでみてください。

 

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL漫画感想へ
↑コメント代わりにぽちっとしてもらえたら励みになります!