夜明けの腐日記

「商業BL感想・雑談」ネタバレ注意!!

しあわせに満ちた夜の庭:ロッキー (感想)

しあわせに満ちた夜の庭 (Charles Comics)

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 《あらすじ》

美しく傲慢なαたちの世界 番だけが運命とは限らない

いっそΩに生まれればよかったのに――

麗しい見目に、控えめな性格。
周囲から散々そう言われてきたαのノアが出会ったのは、宮田一という同じαの男。
お互いαで、しかも男同士の恋なんて許されるわけがない。
ひとときの幸せだと憂うノアだけど…。
己が感じた“運命"を手に入れる為ならなんでもする、打算的で欲にまみれた、α×αの恋愛。

αであること 

ロッキー先生が紡ぐオメガバース。期待しないわけがありません。絵が本当に美しいので、世界に独特の空気感を漂わせてくれます。

α×αの物語、とくに触れられているのは”αとはどういうものなのか”というところだと感じます。どちらもすべからくαらしい二人。

αといえば、傲慢・我侭・エリート。これって自覚してそうではなくて、生まれもったαというバース性だから滲み出ているものですよね。

ロッキー先生の耽美な絵柄により、それらは中和されていますが...α達の世界からふと我に返ると、あっこれっておかしいんだ...と感じます。

耽美で恐ろしいものだと、今回の話を読んで思いました。

 

【ここからネタバレ注意】

攻め:宮田(α)

受け:ノア(α)

 

:出会いは突然に

二人の出会いは、αのためのパーティー。”見合いの場”として連れてこられたノアは、疲れて壁の花と化していました。

そんな彼の元へ現れたのが、宮田。

出会ってそんなすぐに?!と思うのですが、パーティーを抜け出し二人は関係を持つようになります。この出会いを”運命”と表現している二人。純粋に出会いを喜んで恋愛を楽しんでいるように見えました。

とは言っても、二人はどちらもα。宮田は次男坊なので、あまりしがらみはないかもしれませんが、ノアは旧貴族の跡継ぎとしてかなりのプレッシャーがかかっているようです。 

ノアの容姿が本当に美しいところは必見なんですが、個人的には髪の毛のサラサラな描写に目がいきます。とても美しい...Ωだったら良かったのに、と噂されるのも理解できます。

 

:期限付き

”見合い”がうまくいかなかったノアは、しばらく日本に滞在することに。(普段は外国住み)その間はいちゃいちゃ甘々な二人です。

ふと思い出したんですが、「かげふみの恋」の森岡と砂子と同級生ですから、宮田は大学生なんですよね...少し大人びてみえる青年です。 

宮田との甘い生活を喜んでいる一方、α同士の恋人いうことで、二人の関係には期限があるんだと心に深い影を落としているノア。

上流階級のαってなにもかも持っていて、自由に見えるけれどもバックボーン全てに目を向けなければいけないので、不自由でもありますよね。

対する宮田は、影でいろいろと動いているよう。ノアとこれから先も一緒にいるために動いています。この辺りの行動は本当αだな~と思います。自分が仕えるものは全て利用し、思い通りに動かしていく。

αの生まれ持った傲慢さを感じました。

 

:番の存在

宮田はわかりやすく典型的な”α”という感じ。ノアはどこか”α”とはかけ離れた存在なんだと思っていました。最初の印象では。

でも宮田の運命たるΩがいることがわかり、そのΩを宮田から永遠に離すべく行動をする彼はまさしくαでした。傲慢で我侭。周りを動かして自分は支持するだけ。その行動は、宮田よりも傲慢ぽく見えました。見た目マジック...

運命の番の危機が去り、平穏が訪れたかに思えた二人ですが、ノアの境遇がそれを許してはくれません。これにはノアの父親のコンプレックス等が関係しているんですが、血筋が重要な家なら、親に逆らえない...なんてこともありえますよね。

ノアは逆らえないことを諦めて、二人でいる時間だけは平穏に大切に。

宮田は今を楽しみつつ、二人でずっと一緒にいられる道を無理やり見つけ出す。

この考え方の違いは同じαでも、対照的だなと思いました。

 

:スーパー宮田タイム

ノアが諦めたことに対して、宮田はαであることをむき出しにするんですが、そのときに起こした行為にゾッとしました。 α達の世界は恐ろしい...

結局のところ、もちろんハッピーエンドなので、二人はきちんと婚約者という立場に収まります。

宮田が影で動いていたことが、全て実を結び婚約者としての地位を確立しました。もてる人脈をフル活用して、細かいところまで根回しするのはさすがαだな~と思います。

最後のほうに、宮田の兄(β:宮田家の跡継ぎ)と宮田の会話があります。このとき兄視点からの宮田についての見解があるのですが、幼いころからαはαなんだな~と思いました。

出会ったことが運命、と表す二人はとても素敵なカップルだと思いました。

 

+α

話と話の幕間に、描き下ろしで登場人物たちの小話が描かれています。これが結構おもしろくて、本編の補完みたいで面白かったです。

個人的なお気に入りは、宮田家3兄弟の戯れですね。(兄・宮田・妹)の構成です。

本編のほかに『年の差×オメガバースBL』に収録されていた話も掲載されています。そしてこの内容が、微妙に本編に繋がっているという...

それは描き下ろしで描かれているのでぜひ読んでみてください。

 

最後に

α達の世界に触れて、αという性質についての描写が巧みだなと思いました。エリートというところだけでなく、本質的にドロドロしている部分が描かれていて、オメガバースという世界観をより楽しむことができました。 

そして他に、『かげふみの恋』の森岡×砂子も結構出てきてくれたので、嬉しかったです。個人的にはこの二人の物語も、もっと読みたいな~と思っています。

美しくて傲慢なα達の世界。心に余裕があるときに、ぜひ浸ってみてください。

かげふみの恋の感想記事はこちら↓

gin2rou-f.hateblo.jp

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