夜明けの腐日記

「商業BL感想・雑談」ネタバレ注意!!

嫌いでいさせて:ひじき (感想)

嫌いでいさせて (ビーボーイオメガバースコミックス)

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《あらすじ》

「しずくは俺が守るんだ、αなんていらない」
Ωの雫斗は一人娘のしずくと暮らすシングルマザー。
娘を愛する雫斗だが、αに対するトラウマは根深く、番は作らないと決めていた。
しかし、むりやり参加させられた婚活パーティーで雫斗を「運命の番」だと言うαが現れる。
その場は逃げ帰ったものの、後日新しい勤め先で学校制服姿の件のα・葉月と出くわして!?
描き下ろしはその後のラブラブ孕ませエッチv 

母親とは

子どもがいるオメガバースが最近のマイブームなので、とてもわくわくしながら読みました。とにかく子どもが可愛かったですね...

オメガバースの物語としてとても楽しく読むことができましたし、人間の役割とそれに順ずる呼称について考えることもできました。

少しだけ重い題材だと思うので、ハッピーエンドではありますが人によっては危険かもしれません。お気をつけください。

 

【ここからネタバレ注意】

攻:α葉月

受:Ω雫斗(子ども:しずく)

 

:お見合い

二人の出会いは、雫斗がお見合いパーティーに参加したことから。でも葉月はお見合いにきていたわけではなく、従業員として働いていたよう。

そこで雫斗を見かけて、”運命だ”とせまります。

でも雫斗は、過去のトラウマからαにかなりの恐怖心を持っているよう。そのときは、会話をせずに逃げてしまいます。

このトラウマというのが、しずくができる原因でもあるのですが...まあお察しですね。無理やりにできてしまった子どもを育てている...というオメガバースは初めて読んだ気がします。結構辛かった...

そして雫斗はしずくにママと呼ばれているのですが、それを周りが噂しているのに少し嫌な気分に。”男のΩは珍しい”とされている世界のようなので、とくに”ママ”と呼ばれている偏見が多かったです。

読んでいて思ったのは、子どもをお腹を痛めて産み出した人間が”母親”となるなら、それに順ずる呼称「ママ・お母さんなど」で呼ばれるのもおかしくはない。じゃあ雫斗がママと呼ばれることもなんらおかしな事では無い。でも男Ωが珍しいがゆえに余計な偏見を産む。

この辺りのこともあって、雫斗が素直になれないところも理解できます。

(血が繋がっていない母親だっていますから、矛盾もあるんですよね。ママやお母さんというのはただの呼称にすぎない。今回この部分には目をつぶります。)

 

:素直な子

Ωだからとなかなか決まらなかった仕事がようやくもらえた雫斗。しずくのために必死に頑張ろうとする姿は素敵でした。しずくが彼の頑張る原動力になっています。

そんなに若いのに1人で育てていこうとする気力はすごいですが、Ωであることがどうしても弊害になってしまいますね。

葉月との再開は彼の学校が雫斗の勤務先だったことから。葉月は学生だったのか?!とびっくりしました。見た目はとても大人びて見えます。

でも雫斗へ素直に好意を表すところはとても可愛くて、年相応に見えました。

後、彼も過去にバース性へのトラウマがあり、Ωに対してとてもよく考えられる人でした。雫斗に対して紡ぐ言葉がとても優しくて、頑なな心を溶かしていきます。

個人的にとても疑問なのは、葉月からは運命と分かるけれど、雫斗は運命だと感じていないところなんですよね。不思議でした。

 

:思うところは

当て馬として出てくるのが、葉月のバース性のトラウマを作る原因(?)になったΩ。

彼女が葉月と雫斗がくっつくのを邪魔していきます。このやり方が、雫斗の心をえぐるような行為で、せっかく葉月に心が向いてきたかも?と思った矢先だったので、むかついてしまいました。

それが原因で二人の間は距離が離れてしまうんですが、その離れる前に葉月が言った「噛ませて」という言葉にぞくっときました。

雫下が葉月をつき離すために吐いた言葉は、とても切なくて、彼自身の心を傷つけているように思いました。切ない。ほんと終始不憫だと思ってしまいまして...彼の幸せを願わずにはいられません。

 

:しずくの活躍

子どものしずくの活躍が、健気で可愛くて...彼らを再び引き合わせてくれるのは彼女の功労です。描き下ろしで彼女のバース性がふわっと書かれているのですが、幼い彼女がここまでできるのは、バース性があったからなのかと納得がいきました。

本当に良い子で可愛い子。

作中、雫斗は結構フェロモンを垂れ流してしまい襲われかけることが多々あります。きちんと抑制剤は服用していますから、迷惑行為ではない。でも抑えられない。

フェロモン過剰の原因は、もちろん運命たる葉月に出会ったからでしょう。彼のことを考えているときにフェロモンが強くなり抑えられなくなる。なんてキュンときました。

最後はきちんと雫斗の口から”番にして”と聞くことができます。ずっと我慢していた彼がついに溶けてでた心情は、たまらないものがありました。

 

+α

本編の最後にえっちシーンがあるのですが、この執拗さに葉月の執着具合が読み取れます。今まで物分りの良い青年だった彼の、箍がはずれた瞬間...

このギャップが最高でした。

描き下ろしは、本編の補完ができます。大学生になった葉月と雫斗としずく達のエピソード。雫斗が過去のことを思い出し語るのは、少し重い印象も受けました。でもこれは必要なエピソードですね。彼の過去を少しでも軽くするために。

そしてもちろん描き下ろしにもえっちが...最中に葉月が放った言葉は興奮しました。

描き下ろし読了後にカバー裏を読まれることをオススメします。さらに楽しい!!!!

 

最後に

しずくが出来た原因は重く、雫斗を取り巻く環境は決して優しいものではありません。

でも葉月に出会えたからこそ、幸せを得て過去を振り返る事もできるようになる。オメガバースにおける”番”は特別なものがあって、それをこの物語でより実感しました。唯一無二の存在の有難さ。

オメガバースとしての設定を存分に楽しめる作品だと思います。ぜひ読んでみてください。

そしてまさかの続編決定ということで!!結構綺麗に終わっていたと思ったんですが、この先が読めるならわくわくしますね。とても楽しみです。

 

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