夜明けの腐日記

「商業BL感想・雑談」ネタバレ注意!!

八月の杜:TATSUKI (感想)

八月の杜 (マーブルコミックス)

八月の杜

八月の杜

《あらすじ》

忘れられない夏が今、始まる―。

無口でスカした東京からの転校生・乃亜が何故か気になる蒼太。
上級生に絡まれていたのを助けた事がきっかけで仲良くなるが、知り合う内に乃亜への感情は恋へと変わっていく。
ある日、乃亜の転校理由が付き合っていた男と揉め事を起こした為と聞かされた蒼太は、勢いで告白をしてしまうのだが…。

 夏の終わりに

 お盆を過ぎたあたりに読みたくなる作品です。

 本編は「八月の杜」なんですが、こちらの作品の前哨戦となるのが「ホリゾン・ブルー」という作品。こちらはコミックス最後に収録されています。この作品があってこその、八月の杜。

 「八月の杜」は高校生の若くて、少し切ない物語。「ホリゾン・ブルー」は本編より数十年前のお話です。

 甘いのにどこか切ない。ちょっとセンチメンタルな気持ちになります。

 

【ここからネタバレ注意】

攻:蒼太・地元高校生

受:ノア・ワケあり転校生

 

:同級生

 2人の出会いはノアが田舎にある高校へ転校してきたことから。彼はあまりしゃべらないためミステリアスで、訳ありだと噂されてしまいます。

 対する蒼太は地元の高校生。坊主頭のちょっとアホちっくな青年です。

 ノアが先輩に絡まれていたことから2人は関わるようになり、次第に打ち解けていきます。

 1つポイントなのが、蒼太の恋愛対象は男であること。それを本人も自覚していて、ノアに惹かれていっている描写があります。

 このあたり、普通の恋する高校生で萌えました...キュンとする...

 でも蒼太はちょっとえっちな夢をみれば煩悩を消すために、海岸を走り回るという特性なので、あんまりラブ方向に振り切れることはありません。

 

:ノア

 ノアの訳ありであるという噂ですが、あながち噂だけでもないようで...

 彼が元いた場所からクギを指すように誰かがやってきて会話をするのを、蒼太は目撃してしまいます。そして彼の秘密を少し知ってしまいます。

 このあたりでは、もうノアに対する感情を溢れ出させていた蒼太。突然のキスをかましたり、無意識のうちに告白したりと暴走します。

 青いよ~もだもだするよ~と翻弄されます。

 ノアは過去の背景もあるんですが、まんざらでもないようです。蒼太に惹かれているんだろうな、という表情をたくさんしてくれます。

 でもくっつかない!!どこかお互いに冷静なところが、それぞれの気持ちの葛藤を強く表しているなと思いました。

 

:最初から

 ノアは過去の自分の経験から新しい恋へ踏み出せず、蒼太はそんな彼を尊重し側にいるだけ。あまり進展はないように思えますが、蒼太が傍に居続けることが大切でした。

 徐々にノアの心が溶かされて、蒼太へと気持ちが向いている過程は最高です。

 蒼太の受け止め力もすごいなと...最初のアホだと思った印象はどこへやら...好きな人の気持ちを推し量る、とても素敵な青年でした。

 とても良い雰囲気で、このまま付き合うかなと高まったところで、ノアの臆病さが露見します。終わることが分かっているなら、付き合うことが怖い。という理由からしばらく会うこともなくなってしまいました。

 それってどんなことでもあるとは思うんですが、彼の過去を考えると納得がいきます。

 さらにはそんな別れ方をしたあとに、蒼太が祭りの事故により部分的に記憶をなくしてしまいます。もちろんノアのことも。

 

:戻らない

 まさかの記憶喪失ものでかなり驚きました。しかもノアのことも断片的に忘れてしまっているんです。

 2人の最初の出会いまでは記憶にあるんですが、ノアのことを好きだったという感情は忘れています。このときのノアの表情がたまらなく切なかったです。

 そのまま2人は友達としての関係かと思いきや...

 蒼太は”何かを忘れている”ということは、理解しているようです。ノアに直接聞いてみたり、友達に探りをいれてみたりと努力をしてみます。

 これ最終的に元の記憶を取り戻すことはありません。でも、記憶がなくなった後でも再びノアに恋をします。そういうしめくくりでした。

 新たに恋をして、2人の絆はより強固なものへと発展しました。

 最後の最後、社会人になっても恋人同士の2人が見られます。大人になっても一緒にいられて良かった...と安堵しました。

 

+α

 同時収録「ホリゾン・ブルー」

 本編に蒼太のおじいさんが出てくるのですが、彼の若い頃のお話です。

 時代は終戦後、おじいさんと義兄の恋のようなそうでないような、とても切ないお話でした。

 描きおろしは本編2人のあまあまなひと時。

 一緒にいて波長があうんだろうなという感じ。どこか夫婦漫才の空気を感じさせてくれます。

 

最後に

 高校生の感情の機微がとても丁寧に描かれていて、もだもだと恋するさまは切なくも萌えました。

 記憶喪失ものだったことには驚きましたが、より”感情”にポイントが移ったきがします。最後まで元の記憶が戻らないところは、苦手な人もいるかもしれないのでご注意を。

 高校生の暑くて切ない夏のひととき。ぜひのぞいてみてください。

 

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